医療用ウィッグのレンタルと購入の違いはある?
抗がん剤治療や頭部への放射線治療では、頭髪の脱毛を伴う副作用が生じます。治療中、および治療後に頭髪が生えそろうまでの間に利用されるのが医療用ウィッグ(医療用かつら)です。
脱毛を伴う治療をする患者さんの精神的負担を軽減するために、近年では医療用ウィッグを入手するための補助金制度や助成金制度も登場してきています。
医療用ウィッグをレンタルするには?
医療用ウィッグは、治療中、および治療後の一定期間だけ使用するものですから、使い終わったら不要になるものです。そこで登場したのがレンタルというサービスです。ウィッグメーカーやNPO法人がサービスを提供しています。
料金体系としては1~2万円程度の初期費用プラス1日150円から250円程度で課金されているケースが多いようです。借りる日数が短ければ、購入するよりも費用を抑えられるところが魅力です。
また1日単位で借りることもできることから、入院中は使用しないけれども、外出する日だけの一時スポット的な利用といったことも可能です。注意しなければならないのはレンタルですので取扱いを丁寧にする必要があること、自分好みにカットなどしてスタイルを整えることはできないこと、業者によってはレンタル期間の上限が決められているケースがあることです。
医療用ウィッグを購入するには?
使用期間が長く見積もられる患者さんや、自分好みにスタイリングしたい方、そして自身の頭髪が生えてくる段階で少しずつウィッグの合わせ方が変わってくるにしたがって必要となるアフターケアを受けたい方には、医療用ウィッグを購入したほうがメリットは大きいと考えられます。
ウィッグ自体の値段に加えて、アフターケアの費用も含めると、価格は1万円~10万円程度とかなりバラつきがありますので、購入時にはアフターケアを含めて慎重に選ぶ必要があります。医療用ウィッグを購入するにあたっては、健康保険などの公的保険は適用されないということと、補助金の適用ができる場合があるという点に注意しましょう。
一部自治体では医療用ウィッグの購入費に補助を出してくれるところもあります。具体的には、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、東京都、神奈川県、栃木県、茨城県、滋賀県、鳥取県、島根県、山口県、佐賀県、熊本県で県単位または市町村単位で補助があります。ウィッグの入手を検討するにあたっては、お住まいの自治体に確認をとってみましょう。
レンタルと購入の違い
医療用ウィッグのレンタルと購入の違いをまとめると、おおよそ以下のとおりとなります。
・費用面での違い
特に補助等が受けられない場合には、使用期間にもよりますがレンタルのほうが安上がりではないでしょうか。
・取扱い、スタイリングの自由度
レンタルではどうしても自分なりにスタイリングするといったことはできないので、その点で満足できるかという点が大きな違いとなります。
・アフターケアの有無
購入にあたってはほとんどの場合、アフターケア費用まで入っています。費用はかかりますが、それだけの満足度は得られると考えられます。
医療用ウィッグについて、レンタルと購入との違いについて、簡単ではありますが紹介しました。
治療中および治療後の精神的負担を少しでも軽減するために、特に女性にとってはウィッグの使用は必須と考えられます。使用期間や費用の面から、どちらの手段で入手したほうがよいのか、両者の違いを踏まえて、今回紹介した内容を参考に検討されてはいかがでしょうか。
抗がん剤治療や放射線治療は負担が大きくつらい面が大きいですが、治療中の患者さんの負担が少しでも軽くなれば幸いです。