医療用ウィッグは高額医療費の対象になるのか
抗がん剤の治療を受けた時の副作用で、ほとんどの方に起こるのが脱毛です。全身の毛がなくなってしまうことが多く、心理的なダメージも大きくなります。そこで購入した医療用ウィッグは、医療用という言葉が入っているだけに、高額医療費の対象になるのでは?と思う方もいるかもしれません。実際はどうなのか解説するため、参考にしてください。
医療用という言葉が入っていても高額医療費の対象外
高額医療費の対象となれば、医療費控除で後からお金が戻ってくるという制度があります。治療費や将来のことを考えても、できるだけ出費を減らしたいところです。医療用ウィッグが医療費控除の対象となるのではないかと期待する方もいるかもしれません。
残念ですが2021年の段階では、医療費控除が認められるケースは限定的な内容となっています。ほぼ対象外であると考えて間違いはないでしょう。抗がん剤の治療中の方や、円形脱毛症などの方でデリケートな頭皮でも安心して使うことができるということで、医療用ウィッグと名づけられてはいますが、直接的にがんを治療するものである器具ではないということで、控除の対象には入っていないのです。
では、健康保険が適用されるのではないかということも考えてみた方がいるかもしれないでしょう。しかし、こちらも残念ですが、怪我や治療でかかる医療費というものではありませんので保険適用外となります。
実は補助金が適用される場合も
かなりレアなケースではありますが、自治体によっては医療用ウィッグの購入に補助が適用されることがあります。抗がん剤の治療などで脱毛のため、医療用ウィッグを購入するという場合に、サポートをしてくれる自治体が増えてきている傾向がみられるのです。まだまだ数は少ないですが、今後の動向に期待しましょう。
ちなみに、今の段階で補助が認められているのは、佐賀県の伊万里市です。条件は4つほどありますが、それをすべてクリアした場合は最大で15,000円受けられます。ウィッグ購入の領収書の写しや、がん治療の受診証明書などが含まれるようです。
増えてきているという傾向もありますので、住んでいる自治体で補助が受けられるかどうか1度確認してみることをおすすめします。かなりレアなケースで限定された自治体のみでの補助ですが、高額医療の対象にはなりません。しかし、1万円以上の補助ともなれば大きいですので、調べてみてください。
短期で利用、まとまった支出をおさえたいならレンタルも
使う期間が短い場合、さらにお試し感覚で使ってみたい場合、まとまった支出をできるだけおさえたいという場合は、レンタルを行っている医療用ウィッグメーカーもありますので要チェックです。それぞれの会社でプランも料金も異なるため、自分のニーズに合ったところを選びましょう。
長く使う場合は、トータルで高くついてしまうこともありますが、治療のペースに合わせてレンタルを考えるのも1つの選択肢です。ガン保険の中には、外見ケア給付金という特約がついているプランもあります。
その場合は、抗がん剤などで脱毛が起きた時に医療用ウィッグを購入した際、給付金をあてるということも可能です。限定されたプランで、保険会社によっては用意されていないこともありますので、検討して入ることが大切です。がんの治療をする際脱毛が認められて医師に診断された際に、この給付金を受け取ることができる契約となっています。
高額医療費の対象となれば、治療にかかる費用をおさえることができます。その中で医療用ウィッグはどうなのかと思う方もいるかもしれませんが、これは基本的に対象外です。しかし安く購入する方法や保険に入る、またレンタルするという方法もありますのでニーズに合わせて利用していきましょう。